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そば処 長寿庵 (ちゃちゃ丸のお店

 

私たちが日ごろ良く食べているそばですが、そばって一体どんな物となるとあまり良く知らない人が多いのではないでしょうか。
ここではそばに関する材料や道具から歴史や文化まで少しづつ紹介していこうと思います。
文字ばかりで堅苦しく思われるかもしれませんが、是非のぞいていって下さい。


そばっていったい何者?

そばは植物分類学上において薬用に使われるダイオウや染め物に使われるアイなどと同じタデ科のそば属に分類されます。
私たちがよく口にする食用穀物の多くがイネ科やマメ科に属するのに対して異色の存在です。
またそばの花は2種類あり異なる花型間でなければ結実しません。
結実した味は黒く三角形をしたかたい殻に覆われておりこれを玄そばと呼びます。
玄とは黒い事、そばは角ばっている事を意味するそうです。

そばの栄養学

そばの栄養はでんぷんが主体です。
そば粉は実の中心部から順に1番粉、2番粉、3番粉と製粉されます。
表層に近づくにつれ色が濃くなりその他の栄養分も増えていきます。
殻を取った実を丸ごと挽いた挽きぐるみの場合、豆類を除いた穀類の中ではもっとも多くのタンパク質を含んでおり、植物性のタンパク質の中でも非常に良質です。
また、必須アミノ酸は、小麦粉に不足するリジンと白米に少ないトリプトファンに富んでいます。
反対にメチオニンとシスチンが不足していますが、これらは小麦粉に多く含まれており小麦粉と合わせて作るそばはタンパク質を取る上で理にかなっています。
一方、ビタミン類においては日本人に不足がちなB1、B2を多く含み毛細血管の働きを助けるルチンも多く含まれています。
なお最近よく耳にする食物繊維も白米の2.5倍も含まれています。

そばは若さと健康にとっても良いのです。
特に女性の方お勧めですよ!!

そばは早熟?!

そばは非常に成長の早い植物で種まきから収穫まで、夏に収穫される夏そばで70日〜85日、秋に収穫される秋そばが80日〜90日ぐらいです。
一般にそばの栽培には冷涼な気候が適していますが、夏そばは昼間の時間が長くなる5〜6月頃種を蒔くと比較的短期間で開花し高温下でも実がつく特徴を持っています。
逆に秋そばは温暖でなおかつ涼しいという条件で日が短くなっていく頃が開花結実に適しています。
また、夏そば秋そばともに霜には弱く霜に当たると枯れてしまいます。

国内の玄そばの産地

そばは沖縄と北海道北部を除いて日本各地で栽培が可能です。明治中頃にはほとんどの道府県で栽培されていました。
しかし、その後は各地でそば栽培が減少しだんだん限られた地域で集中的に栽培されるようになりました。
平成2年度の全国の生産量を見ると収穫量が6740tの北海道が第1位で2190tの鹿児島が2位、1624tの長野が3位となります。
以下、福島、茨城、岩手、高知、宮崎、青森、秋田と続きこれらの地域がここ数年の主要産地です。

海外からのそばの輸入先
玄そばの輸入は昭和27年に始まり30年頃から大幅に増加しました。最近では国内需要の80%を占め、平成2年度においては国内産約2万1000tに対し輸入量は約9万tになりました
。主な輸入先は中国、アメリカ、カナダで輸入量の98%を占めています。
品質面においては中国内蒙古産大粒やカナダ産マンカン種などが国内産のものに近く高い評価を受けています。
そばの栽培に適した条件
そばの栽培の自然条件としては、気温と昼間時間の長さが主にあげられます。そばの花粉発芽の適温は20度C以下で、28度Cを越えると、めしべの発育が悪くなります。そば栽培に冷涼な気候が適しているといわれるのはこのためです。
信州というと昔からそばの名産地として知られています。そば栽培は本来、高冷地が適しているので、高原地帯である信州では、良質のそばが獲れます。その信州の中でも特に有名な『霧下そば』の産地は、そば栽培に適した自然条件の典型例といえます。
霧下とは高原の山すそ地帯のことで(海抜700〜800Mほど)、昼夜の気温差が大きく、晴れた日の朝には霧が発生し、その霧が、夜の冷え込みと日中の気温差を和らげます。秋そばの生育、結実時期にこの朝霧が立つと、味、栄養ともに優れたそばが獲れます。
新潟と長野の県境にあたる妙高、黒姫、戸隠高原一帯が代表的な産地です。

日本で栽培されているそばの品種
最近の新品種としては、四倍体品種の『みやざきおおつぶ』と『信州大そば』、系統集団選抜で固定した『常陸秋そば』と『キタワセソバ』があります。しかし、これらの新品種以外のそばは、ほとんどが、『黒姫そば』や『祖谷そば』などというように昔から作られてきた土地の名前がつけられています。いわゆる「在来種」で「品種」ではありません。新品種が開発されるまでに固有の品種名がついていたのは、北海道の『牡丹そば』、青森の『階上早生』、長野の『信濃1号』、三重の『磯辺一』、鳥取の『大そば』・『小そば』、鹿児島の『三度そば』、愛媛の『久万そば』ぐらいでした。
このように、そばにはっきりとした品種区分が無かったのは、そばが他家受粉の植物のためで、固有の形質を維持するのが難しいからです。
実際、最近の報告によると、国内各地の在来種に交雑が進んでいる現象が見られるといいます。

参考資料 そば・うどん百味百題
柴田書店刊

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